生理的口臭の強さにも波があるって本当?
生理的口臭とは、いつも湿っていて温度も温かく保たれて
いる、口腔という細菌が繁殖しやすい環境で、どうしても
ある程度は発生してしまう口臭のことです。
この生理的口臭には、一般的に健康な人にも皆に共通
して、生活リズムの中で臭いの強弱の波があります。
口臭測定の実験の結果によれば、朝起きた直後の状態が一日で一番
生理的口臭が強くなります。(これをモーニングブレスとも呼びます)
この口臭は、寝ている間に口の中で細菌がたくさん繁殖
して、それによって作られてしまう揮発性硫黄化合物の
量も一日の中で一番多いことから、強く現れるんです。
でもこの朝の口臭は、目を覚ますだけでも改善しますし、
歯を磨いたり朝食を摂るうちに、更に改善されていきます。
目覚める => 唾液の分泌量が正常に戻り、口内の浄化作用や、揮発性硫黄
化合物の気化の抑制が始まります。
歯磨き => 歯や歯茎の汚れなど、臭いの元を口から出すことができます。
食事 => 食べ物が歯、歯茎、舌に当たることで細菌の塊などの汚れをこす
り落とします。また、更に唾液の分泌が促されて、口内の状態が良くなります。
ところで、ちょっと閑話休題ですが、朝の
歯磨きって、どのタイミングでしていますか?
どうも日本人は、欧米の人々と比べると、朝起きてすぐ
歯を磨かずに、朝食後に初めて歯を磨く人が多いそうなのです。
「食事をしたら早めに歯を磨きなさい」とはよく注意されてきましたが、あまり
「朝起きたらすぐに歯を磨きなさい」とは言われない気がしませんか?
私自身は、朝は忙しいので、食事前にも歯を磨くこともあれば、口をゆす
ぐだけのこともある、という感じで特に意識はしていなかったのですが、
“起床直後の口は細菌だらけ“という事実を知ってからは、どうも気持ち
が悪くて、朝はなるべく早く歯を磨く様になっちゃいました。
さて話を戻します。起床・朝食・歯磨き後に、
生理的口臭のレベルは一度大きく低下します。
が、その後ゆっくりと上昇をし出して、3時間後位には、
起床時ほどではないですが、再び口臭が強めになります。
ところが、普通はここで昼食タイムとなりますので、朝と同じように、
食事(と理想的には歯磨き)によって、もう一度生理的口臭の波は低くなります。
昼食から夕食の間も同じ流れですが、“3時のおやつ”とはよく言った
もので、途中で何か甘いものやスナック、飲み物を口にすることで、
上昇中の口臭を再び抑えることができるのです。
この様に、普通の人が持つ口臭は、一日の生活の中で強度が変化して
いきます。その中で重要なファクターとなるのは、実は食事です。
食事をしてない=口が汚れないからきれいで臭いも
出ない という考えは、実は正しくありません。
もしも規則正しい食事が取れない生活を送っている方は、軽食
をつまむ、お茶などを飲む、歯を磨くなど、時間を決めて口臭の
波のピークを抑える習慣を取り入れることをお勧めしたいです。