他の人は匂いを感じない口臭なんてあるの?
答えはYES & NOです。まず、人は誰でも
口の中にある種の臭いを少しは持っています。
それを口臭といえないこともありません、が、一般的にいう"口臭"
とは、周りでも感じられるレベルの臭いのことになります。
ところが、自然な口の臭いしか持っていないにも関わらず、「自分は口臭があり、
周りの人に嫌がられている。」と、強く思い込んでしまうというケースがあります。
実際の"口臭"ではありませんが、口臭の悩みには違いないです。
何が起こっているのでしょうか? 実はこの状態では、問題が
あるのは口の中でも内蔵でもなく、本人の心の中です。
症状としては、「体臭恐怖」という、対人恐怖症状の中のひとつに分類
され、「自分が周りの人達に何か迷惑をかけているのではないか、軽蔑
されているのではないか?」といった恐怖感を感じてしまうものなです。
例えば、話している相手が少し嫌な顔をした、電車などで、隣の人が席
を立って移動した、といったことから、「自分には口臭(ワキガなどの
体臭が対象になることもあります)があるんだ、臭いんだ!」
と思い込んでしまう、そんなきっかけでも発病してしまう様です。
実際には口臭はないので、大抵の患者さんは自分自身では臭いは感じない、
とは気づいているそうですが、それでも「周囲の人を見ていれば
、自分が気づかないだけで、口臭があるということが解る。」と
、強く信じ込んでしまうのです。
この様な症状が、強い心理ストレスになるほど重症化して
しまうと、心身両面からの治療が必要になってきます。
でも、「体臭恐怖症」と診断されるほどには重症ではなくても、臭うもの
を食べた後に自分の吐く息の匂いがやたらに気になったり、軽い口臭を、
"重症で臭いものだ"と思い込んで、必要以上に気にし過ぎてしまう、
なんてことは身近にもありそうではないですか?
近代化によって、昔とくらべると生活圏からニオイが消えたこと
によって、現代人がよりニオイに対して敏感になったことが、
この様な症状が発生する原因のひとつだと思えます。